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Sherrill, M. E.*; Abdallah, J. Jr.*; Csanak, G.*; Dodd, E. S.*; 福田 祐仁; 赤羽 温; 青山 誠; 井上 典洋*; 上田 英樹*; 山川 考一; et al.
Physical Review E, 73(6), p.066404_1 - 066404_6, 2006/06
被引用回数:29 パーセンタイル:75.57(Physics, Fluids & Plasmas)電子と原子のキネティクスを連立して解くモデルを用いて、極短パルスレーザー照射Arクラスターから発生したK殼X線スペクトル(He線)の解析を行った。このモデルでは、非平衡電子エネルギー分布関数はPICコードを用いて生成したものを用いた。その結果、X線は極めて非平衡な状態にある高密度プラズマから発生しており、その時間スケールは約5.7psであることがわかった。また、さらに固体密度に近い10cmを超えるイオン密度のクラスタープラズマの生成が可能となった場合には、X線発生のタイムスケールはフェムト秒となることが明らかとなった。
朝日 義郎; 鈴土 知明; 石川 信行; 中塚 亨
Nuclear Science and Engineering, 152(2), p.219 - 235, 2006/02
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)BWRタービントリップの実験をTHYDE-NEUコードを用いて解析した。プラントは(コンデンサを含む)閉ループとして扱った(このような解析例は著者は他には知らない)。このためには湿分分離器モデルとジャンクションでの流路面積変化による可逆圧変化を考慮に入れることが必要である。反応度概念を用いない3次元動特性モデルを使用した。THYDE-NEUはこの体系の熱水力結合の零過渡解析ができることを確認した。本実験での3次元動特性に影響を与える諸因子の中にはバイパス弁開度の時間変化,気液非平衡モデル,断面積のテーブル内挿で使う冷却材密度の表現法がある。これらを調整すれば炉平均LPRM値が0.63sでスクラム信号発生の設定値に達するという実験条件を満足させることができることがわかった。他の計算結果も実験結果とよく一致した。
町田 昌彦; 小山 富男*; 加藤 勝*; 石田 武和*
Physica C, 426-431(1), p.169 - 173, 2005/10
最近発見されたMgB超伝導体は、主要構成元素としてB(ボロン)を含むため、中性子をよく吸収するため、超伝導の熱に対する鋭敏な特性を利用した中性子検出器の開発が期待されている。本講演では、この中性子検出過程を直接数値シミュレーションし、検出可能となる条件を明らかにする。特に、重要なファクターとして時空間分解能について直接数値シミュレーションから得られた結果を報告する。
Arthur, R. C,*; Savage, D.*; 笹本 広; 柴田 雅博; 油井 三和
JNC TN8400 2000-005, 61 Pages, 2000/01
本報告書では、長石、層状珪酸塩、沸石、酸化物、輝石、角閃石に対する34種類の水和反応を対象に速度定数、反応次数、活性化エネルギーを含む速度論データを収集・整理した。また、同様に方解石と黄鉄鉱に対する速度論データも収集・整理した。これらのデータは、地球化学コードであるEQ3/6やGWBで用いられている表面反応支配・遷移状態理論に則した速度則に適合する。上述した水和反応の速度論データは、厳密には、平衡状態からかけ離れた非平衡状態における遷移状態速度則に適合するものである。これらのデータは、平衡状態からかけ離れた非平衡状態および平衡状態に近い状態における速度則にも概念的には適合するものであるが、その妥当性は、元文献の実験結果の解析を通じて可能な限り確認されるべきである。鉱物-水反応に関する速度論データの適用性の限界を考慮し、地下水水質形成の地球化学モデルの評価を単純化する上で、可能な場合、部分平衡を仮定することは有効な方法である。部分平衡の仮定が妥当であるかどうか評価するため、部分平衡の空間的、時間的スケールを評価するために用いられる水理および水-岩石反応を結合したモデル化手法について記述した。この様なモデル化手法は、釜石原位置試験場における割れ目中での地下水流れを含む条件に対して適用され、また、酸化性の地表水が結晶質岩における高レベル放射性廃棄物の処分深度にまで達するのに要する時間を評価するためにも用いられた。部分平衡が妥当な仮定であるかどうかといった疑問に対しては、適切なモデル化手法をもとに検討されるべきである。上述したモデル化手法を用いて、釜石サイトでの条件に適用するためには、割れ目充填部は多孔質媒体に近似でき、地下水の流れは単なる移流のみであり、母岩マトリクス方向への拡散は生じないことになる。さらに、平衡状態に達するまでの距離と同じか、それよりも長い距離に渡って、割れ目の鉱物学的特性や物理学的特性が均一でなければならない。もしこの様な条件下において、以下の状態であるならば、釜石サイトにおける地下水水質形成モデルにおいて部分平衡を仮定することが妥当であると推測される。・方解石、濁沸石(その溶解・沈殿挙動が輝沸石に類似すると仮定)、濁沸石、葡萄石、(石英は含まない)・ダルシー流速は比較的小さい(たとえば、約0.1myr-1)・平衡状態に関する不確実性として、飽和指数で+-0.4を誤差 ...
柳瀬 信之; T.E.Payne*; 関根 敬一
Geochemical Journal, 29, p.31 - 54, 1995/00
被引用回数:23 パーセンタイル:46.62(Geochemistry & Geophysics)クンガラウラン鉱床中のウラン系列核種の移行挙動を研究するために、地下水中の核種濃度及び放射能比を求めた。深さ20m以浅の地下水のU/U比は1より小さく、30m以深では1より大きかった。Thはウランに比べ地下水中では非常に動きにくかった。Ra/U比から、RaはUに比べ風化帯(30m以浅)より非風化帯(30m以深)で動きやすかった。これは風化帯ではMnやFeを含む風化二次鉱物に、Raが共沈あるいは吸着されるためと考えられる。Rnは地下水中にUより3桁以上過剰に存在し、Pb/Rn比からはPbの地下水中での滞留時間約6日が推定できた。以上の結果から、クンガラウラン鉱床では、ウラン系列核種の非平衡は、酸化還元状況の反映である風化の度合い、溶解共沈吸着現象、及びアルファリコイル機構によって支配されていると考えられる。
佐藤 泰生*; 佐田富 道雄*; 川原 顕麿呂*
PNC TJ9614 94-001, 59 Pages, 1994/03
垂直気液二相流系におけるサブチャンネル間のクロスフローは、乱流混合、ボイド・ドリフト、および差圧混合の三つの成分から成るといわれている。このうち、各サブチャンネルにおける両相の流量が管軸方向に変化しない平衡流では、乱流混合のみが生じる。これに対し、非平衡流では、一般的には、これら三成分が共存した状態となる。本研究では、このような非平衡流について、管軸方向への流れの再配分過程に及ぼすサブチャンネル間差圧の影響を実験的に調査している。実験には直径16mmの二つの同一サブチュンネルからなる流路を使用し、これら二つに空気と水を不均一に導入することによって、サブチャンネル間に差圧のある場合とない場合のいくつかの非平衡流を実現した。そして、各サブチャンネルにおける管軸方向の空気と水の流量分布、ボイド率分布、片方のサブチャンネルに両相のトレーサーを注入した時の濃度分布のデータを、サブチャンネル管差圧分布のデータと共に得た。さらに、これらのデータを分布して、上述の三成分に対応する空気と水の横方向速度を求め、それらの速度に及ぼすサブチャンネル間差圧の影響を調べた。
上原 和也
パリティ, 8(1), p.30 - 36, 1993/01
物理教養雑誌(丸善発行)「パリティ」からの依頼原稿である。磁場による熱核融合反応炉の実現が遅れている理由を高温プラズマの輸送の問題に求めこれをわかり易く解説した。輸送の問題の理解に従来用いられている二体衝突拡散理論や準線形理論が、プラズマ中の不安定性による電場を無視していたり、衝突を無視した保存系の方程式となっている欠点をあげ、この問題の理解には散逸過程を記述できる、非平衡非可逆の統計力学の導入の必要性を説いている。又プラズマ中の不安定性等でもたらされる電場と磁場との非線形相互作用でもたらされる輸送の増大と抑制が、輸送問題の解決に不可欠であると説いている。
渡辺 正; 平野 雅司; 秋元 正幸; 田辺 文也; 鴻坂 厚夫
JAERI 1326, 232 Pages, 1992/03
一次元流路に於ける二相流現象を解析する為の数値計算の道具として、二相流特性解析コード:MINCSを開発した。MINCSは、9種類の二相流モデル-基本的な二流体非平衡モデルから単純な均質平衡流モデルまで-を同一の数値解法の基で取扱うことができる。数値解法は、数値的安定性の為、陰的有限差分法に基づいている。コードの構造は高度にモジュラー化されており、新しい構成式及び相関式の組み込み、評価を容易に行うことができる。また、流動状態にかかわらず流動様式を固定することが可能であり、状態方程式(蒸気表)も選択することができる。この為、物理的、或いは、数値的なベンチマーク問題への対応も容易である。
小川 雅生*
PNC TJ1607 91-001, 14 Pages, 1991/03
中性子の少ない核融合反応を用いてエネルギーを取り出すことを指向した研究の初期段階を行なった。本研究ではエネルギーが1020keVの重陽子分子イオンビームを入射し、解離した原子イオンをミラー磁場の中に閉じ込めるための基礎実験装置の設計を進めた。装置の設計に必要な情報を得るために、ビーム軌道のシミュレーションを行なった。
田次 邑吉
JAERI-M 91-031, 62 Pages, 1991/03
これまでの気体運動論は、気体のあらゆる力学的状態を記述しているLiouville方程式を適当に変形すれば、欲する解は何でも得られる、という通念の上に立ってきた。ここでは、位相空間では全知全能に見えたLiouville方程式も、空間では希薄で等方・平衡な気体しか扱えない事を明らかにし、その議論を通じて、濃密で非等方・非平衡な気体を扱える新しい運動理論を提案する。この従来の理論にたいする批判と新しい理論の提案が第一部で行われる。第二部では、この理論を非平衡な単原子分子気体に適用し、3体衝突の効果まで考慮した、非可逆な運動量輸送を扱える拡張されたボルツマン方程式を導出する。第三部では、非平衡な亜鈴型分子の気体を扱い、分子の回転運動による角運動量輸送の場がMaxwellの式と同じ形になる事を示す。これは雷の発生理論に相当する。
秋元 正幸; 平野 雅司; 新谷 文将; 原見 太幹
JAERI-M 84-202, 97 Pages, 1984/11
軽水炉の安全解析や設計では過渡ニ相流の解析が極めて重要である。最近の関連する多くの実験や解析手法の進展と相まって過渡ニ相流の理解が深まっているが、複雑なモデル過程、相間の交換項などの構成式の精度が問題である。本報では軽水炉の過渡熱水力解析コードMINCSの開発方針と計画を報告し、併せて均質平衡流(1V1T)モデルからニ流体非平衡(2VI2T)モデルまでの各種ニ相流モデルの構成式を調べる計算コードMINCS-PIPEの開発を行ったので、この内容を報告する。
朝日 義郎; 鈴木 優一*
Journal of Nuclear Science and Technology, 21(10), p.753 - 763, 1984/00
被引用回数:4 パーセンタイル:45.49(Nuclear Science & Technology)新非平衡熱水力モデルに基づくTHYDE-Pコードを用いて、LOFT L2-3の一貫解析がなされている。この解析で用いられているいろいろな仮定と相関式とが説明されている。プール条件でのDNB(核沸騰からの離脱)とリウェッティングとクエンチングとを調べるために、いくつかの助変数が定義されている。ガス相と液相との相間熱伝達係数は核沸騰と同じ圧力依存性を有すると仮定されている。しかし、燃料内の蓄積エネルギーと温度分布の定常度とを考えることによって、プール条件下での熱伝達モード遷移をより理解するための研究が更に必要である。
平本 立躬
宇宙航空研究所報告, 1(SPECIAL), p.A16 - A23, 1965/00
一般にプラズマに電場が印加されると荷電粒子、特に質量の小さな電子は加速され、その温度Teはガスあるいはイオンの温度Tgより高くなる。その結果電離の衝突頻度も高くなり、電離度は熱平衡状態(Te=Tg)のものに比し高くなる。ここではMHD発電装置作動ガスの電場によるこのような非平衡電離について謁べる。
平本 立躬*
原子力工業, 10(2), p.60 - 64, 1964/00
MHD発電器の作動ガスに導電性をもたせるのに、大別して二通りの方法がある。一つは熱電離法で、他の一つは非平衡電離法である。前者では発電出力はガス温度に強く依存するが、後者の方法ではさほど影響されない、したがって比較的低温でも、十分高い発電出力密度がえられる。特に希ガス冷却の高温原子炉は、非平衡電報型MHD発電器の熱源に最適である。そこで高熱効率、大出力の発電に最適といわれるMHD発電を原子力発電の見地から解説しよう。
金田 由久*; 芳賀 和子*; 柴田 真仁*; 藏永 萌*; 菊地 道生*; 山本 武志*; 加藤 潤; 大杉 武史; 黒木 亮一郎
no journal, ,
福島第一原子力発電所の汚染水処理から発生する廃棄物をセメント等で低温固化処理する場合の基礎データを取得する目的で、セメント及びAAM(アルカリ活性化材料)の試験体を作製し、溶出試験を行った。
仲田 光樹; Kim, S. K.*; 高吉 慎太郎*
no journal, ,
電荷に対する「Aharonov-Bohm効果」と電磁力学的双対関係にある「Aharonov-Casher効果」により、本質的に磁気双極子であるスピン「マグノン」に電場を照射させると、マグノンは「幾何学的位相」を獲得する。そこで「直線偏光レーザー」、「円偏光レーザー」それぞれのレーザー照射下中で系は周期的時間依存性を獲得することに着目し、そうした時間周期的非平衡定常状態の解析に有効な「Floquet理論」を用いて問題を解決し、トポロジカル物性の発芽機構を解明した。本研究により、マグノンの非平衡トポロジカル物性を光デザイン・レーザー制御可能であると期待できる。
栗林 千佳*; 宮川 和也; 伊藤 茜*; 谷水 雅治*
no journal, ,
資源としての地下水を有効に利用するためには、地下水流動の速度や方向などを正確に把握する必要がある。これらの把握には、水理ポテンシャルを用いた水文学的な手法に加えて、溶存元素の同位体トレーサーを用いる手法が有用である。本研究では、U/U比の地下水流動の指標としての有効性を検討するための基礎データの取得を目的として、北海道幌延地域の新第三紀堆積岩中の流動性が低く還元的な深層地下水が取りうるU/U比の変動幅の把握を試みた。地下水は、幌延深地層研究センターの地下施設を利用して深度140-350mから採取した。また、流動性の低い地下水中のU/U比が長期的に一定であるとの仮定の下に、岩盤の割れ目に存在する炭酸塩鉱物の沈澱生成年代を推定し、本地域の地史との整合性を確認することで、U/U比の指標としての有効性の確認を試みた。その結果、放射能比は2-12と高い値を示し、還元的な地下水中のウランは放射非平衡状態であることが確認された。炭酸塩沈殿についても同様に放射能比を算出すると1に近い値を示し、ほぼ放射平衡状態であった。測定した地下水U/U比の値から、炭酸塩沈殿の生成当時の地下水のU/U比を仮定し、放射平衡に要する時間を計算すると、少なくとも百数万年前よりも最近に沈殿形成されたものであると推定され、本地域の地史と整合的であることが確認された。
荒井 陽一; 渡部 創
no journal, ,
実験、分析の実施により発生する放射性廃液は、反応性や引火性、発火性を有する試薬を使用するケースも多く、放射性廃液の性状・特徴に合わせた独自の処理方法が確立するまで、施設内で保管せざるを得ない状況にあった。日本原子力研究開発機構は大学や研究機関、企業と共に放射性廃液の処理処分プロセスの確立を目指した共同研究プロジェクトを開始した。本報告では実廃液の処理例や研究テーマの実施状況について報告する。